熟成酒
年を重ねることで
瓶の中で熟成するビンテージ泡盛
蔵にある甕やタンクで3年以上寝かせることで表記できるようになる古酒とは別に、蔵を出た泡盛は瓶の中でも熟成し、味わいが変化することが知られています。それが瓶熟成やビンテージと呼ばれるもので、定義上は古酒ではありませんが、元になる泡盛や保管方法によって、様々な味わいに“育て上げる”ことができます。この言わば“ビンテージ泡盛”を求めて、数年から数十年前に出荷された泡盛を探すコレクターもいるほどです。
また、沖縄文化を眺めてみると、泡盛はお祝いの席で飲まれる機会の多いお酒でした。例えば、生まれた年に蒸留された泡盛を各家庭で大切に保管し、二十歳の記念に20年モノのビンテージとして楽しむのが家族の風景のひとつでした。泡盛には人生の節目節目で重ねてきた年数を照らしてくれるような役割もあったのです。
久米島の久米仙ではビンテージ向けとして、その年の元旦に蒸留した泡盛を、度数を高めの44度で粗濾過することで、瓶内で熟成し、味わいが深くなるようにしました。元旦にしか蒸留しない泡盛なので、生産量がわずかな限定商品になります。
元旦に蒸留した泡盛を甕やステンレスタンクではなく、敢えて瓶詰めした上で、年数表記を施したビンテージ泡盛。その年に蒸留されているので、すぐに瓶で熟成した泡盛の味わいを楽しんでいただくことができます。また、長年にわたり蔵で保管され瓶の中で熟成された様々なビンテージ泡盛をラインナップしていますので、この機会にぜひお試しください。