地理的表示=GIマークについて
英スコッチ・ウイスキーや仏シャンパンをはじめ各地で製造される銘酒に指定されている地理的表示。
「琉球泡盛」もその例に漏れず、国際的に認定されたものである。
英スコットランドで製造されるスコッチ・ウイスキーや仏シャンパーニュ地方特産スパークリングワインのシャンパンなど、世界各地で造られる銘酒にその場所の名を冠するのは世界貿易機構(WTO)が認める地理的表示=GIマーク。「琉球泡盛」もその例に漏れず、国際的に認定されたものである。
さらに日本国内でも「琉球」として酒類の地理的表示(GI)が国税庁により平成7年6月30日に指定。黒麹菌を用いた米麹及び水を原料として発酵させたもろみを単式蒸留機により蒸留した蒸留酒であること、琉球泡盛特有の細やかな味わい、黒麹菌の生育した米麹のみを原料とし、その米こうじに水と酵母を加えて発酵させる全麹仕込みという伝統製法など、酒類としての特性が定義されている。
それだけでなく沖縄の地理が育む自然的要因や琉球王国から続く酒造の歴史的な背景も合わせて、泡盛の特性が「琉球」という産地に帰すことの理由として詳しく定められていることも見逃せない。
そして、何より「琉球」と冠することができる泡盛には「原料」と「製法」において以下のような事項を厳密に満たしている必要があることは意外に知られていないのではないだろうか。
(1)原料
イ 米こうじはAspergillus luchuensisに属する黒こうじ菌の生育した米こうじのみを用いたものであること。
ロ 水に沖縄県内で採水した水のみを用いたものであること。
(2)製法
イ 沖縄県内で原料の発酵及び蒸留が行われていること。
ロ 米こうじ及び水を原料として発酵させたもろみを、単式蒸留機をもって蒸留したもの。
ハ 製造工程上、貯蔵する場合は沖縄県内で行うこと。
ニ 消費者に引き渡すことを予定した容器に沖縄県内で詰めること。
(国税庁:別紙 地理的表示「琉球」生産基準より引用)
宇江城山の麓で湧く清水を用い、久米島の豊かな自然の中で脈々と受け継がれてきた製法により造られる久米島の久米仙の泡盛はもちろんこの地理的表示の指定に合致したもの。ぜひ、実際の商品に記されているGIマークを確認してみていただきたい。